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ラストミッション(原題:3 Days to Kill)
   監 督 :マック G
   出 演 :ケビン・コスナー、ヘイリー・スタインフェルド、アンバー・ハード
   ジャンル:アクション ?
   2014年  アメリカ




怖い顔して … シャツ、出てるよ!



 久々にケビン・コスナー主演の映画を見ました。(もちろん「私」が、の話)
 アクション映画ですが、あまり重くない見やすい類の映画で、結構コミカルなシーンも多いので、ヘビーなアクション物を期待している人には向かないかも。
 腹が出てきて走るのがつらそうな無精ひげのケビン・コスナーが  …  やっぱりかっこいいです!

注)以下、ネタバレだらけです!

【あらすじ】

 イーサン(ケビン・コスナー)はバリバリのCIAの外勤者ですが、ある時職務中に倒れ気が付くとベッドの上で、医者に余命数カ月と宣告されてしまいます。
 疎遠になっていた家族(妻と16歳の娘)とよりを戻しておだやかな余生を、と思ってフランスの別宅(武器等も置いてあるイーサン個人用のアパート)に戻ってみると、自宅には難民(?)が住み着いていて法的に追い出す事ができなくなっているし、長い間放ったらかしていた娘(ヘイリー、スタインフェルド)とは全然かみ合わない !!

 一方CIAは、とある手強いターゲットの始末要員として、失うものが無くなった(どうせ全部失うから?)イーサンを指名し、代償として高価だが今一効果の怪しい病気の試薬を提供すると提案します。
 連絡役としてイーサンの前に現れるのはヴィヴィ(アンバー・ハード)という少々過激な女局員です。

 そこからは、無茶苦茶強いイーサンが、大事なところで薬の副作用で倒れて窮地に陥りながらも、ギリギリのところで現れるヴィヴィにも助けられ、次々に仕事を片づけターゲットに迫っていきます!


【感想】
 家族のために命をかけて頑張るお父さん、あるいは赤の他人だけどつい関わってしまった少女を体を張って守るおじさんの映画、ってたくさんありますよね。
 昔から似たようなパターンはあったのでしょうが、助けるお父さん(おじさん)がめちゃくちゃ強いのが最近の特徴ではないでしょうか。
 その方が、まあまあハッピーエンドになってくれそうで見ていて安心できるし、単純にアクション映画として作りやすいのかも知れません。
 このお父さんもむやみに強いです!(ここでは、結局家族には危険は及びませんけど)

 ふと、そういうのを見て喜んでいるのは歳のせいか? とも思いますが … いや、そんなはずはない!!

 ハッピーエンドですし、アクションなのかコメディなのか、というさじ加減が私にはいいです。




ターゲットに雇われている帳簿係」を拉致してきて、自宅で情報を聞き出そうとする。
その時、イーサンの携帯が鳴り娘から「ボーイフレンドを自宅でもてなす」との電話が入る。
イーサンは「君はイタリア人だろう?」と帳簿係に銃とスマホを突きつけながら、娘に
スパゲッティソースのレシピを説明させる。
帳簿係は、説明しているうちに国の母を思い出し、泣きながら「(殺される前に)
お袋自慢のカノーリ(*)のレシピも説明させてくれ!」と叫ぶ!


… 私のお気に入りのシーン!

この後、イーサンは国に帰るというこの「帳簿係」を解放する。
このほのぼのとした展開は、やっぱりアクション映画とは違うかも … 。



*:カノーリ(カンノーリ)、シチリアのお菓子



 上のカットの少し前、イーサンと帳簿係のかみ合わない会話のシーンでは、二人がバスルームの対角線上にいるため、カメラは会話を追っていちいち左右に振っていて、コミカルさを強調しています。
 全体に、奇抜ではないけれどカメラアングルが工夫されているようで、私は気に入っているのです。

 リアルな映像に鋭いアクション、と、どこかほのぼのとしたストーリー展開は、真面目な顔で展開する漫才を見ているような味わいです。
 

 あまり重くないアクション映画が好きな方(ホワイトハウス・ダウン、 レッド、等がお気に入りの方)にお勧め!



  2018.09.    ................ 傑作映画館の目次ページへ